文部科学省の平成23年度 「大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業」に福島大学の申請した取組「東日本大震災および福島第一原子力発電所事故に伴う被災地支援事業」が選定されました。

この事業は・・・・・ 大学等が、東日本大震災における被災地の自治体からの要望等を踏まえ、自治体、関係機関及び他大学等と連携・協力してこれまで行ってきた様々な取組を継続的・発展的に実施してくいため、大学等の地域復興センター的機能の整備を支援することにより、被災地域のコミュニティの再構築、地域産業の再生及び医療再生等を行いつつ、復興の担い手を養成することを目的として公募したものです。

「東日本大震災および福島第一原子力発電所事故に伴う被災地支援事業」の概要

 福島大学は震災以降、避難者・被災者へのボランティア支援や放射性物質による汚染地域での放射線量計測、農畜水産物の実害調査など、福島県や市町村、各種団体などと連携しながら活動を行ってきた。こうした復旧・復興に係る支援・連携活動が効率的かつ有機的に長期に渡って確実に行えるよう、平成234月「福島大学うつくしまふくしま未来支援センター」を設置した。このセンターの目的は「東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故に伴う被害に関し、生起している事実を科学的に調査・研究するとともに、その事実に基づき被災地の推移を見通し、復旧・復興を支援する」ことにある。震災及び原発事故に伴い、福島県内の自治体や産業、地域や家庭において、各々様々に異なる課題を有している。「福島大学うつくしまふくしま未来支援センター」では、課題解決策として主として「子ども・若者支援」「地域・産業復興計画支援」「環境復元・エネルギー開発支援」という3つの側面から取組み、それが互いに有効かつシナジーとなるよう支援していくものである。

Ⅰ【子ども・若者支援に関する取組】

震災と原発事故に伴い、家族を失い、親が失業し、家庭が崩壊するなどにより、子どもたちは進学を諦める傾向が見受けられる。また、福島県の子どもたちは、他県の子どもと異なり、放射線に対する不安を抱いて過ごしている。特に発育途上にある子どもと保護者の心理状況に関して、福島県教委と連携し、継続的に調査・分析することにより、健全な家庭を早期に育めるよう、家族に対する心理的・社会的・教育的ケアの対処方策を策定し、学校や教育行政機関に対して支援を行う。

また、長期化する風評等の影響を恐れ多数の企業や工場が撤退し、働く場所がなく職を求め他県へ転居した若者が多数いる。さらに、放射線を浴びることを恐れ、高校を卒業したら県外へ進学又は就職させようとする保護者も多数いる。若者は、被災地の復興を担う主役であるため、地域の産業や教育の条件整備に係る提言をまとめるなどにより、若者の雇用を確保できるよう、自立に向けた支援及びその方策を講じるなどの活動を行う。

【地域・産業復興計画支援に関する取組】

 地域・産業復興計画支援は、崩壊した地域コミュニティの再生と地域産業の復興を中心に取り組むもので、先般、センターが実施した双葉8町村全世帯住民アンケートにより、様々な課題が明らかになった。地域復興に対する支援は、定期的なアンケート等により住民や地域等のニーズを調査し、そこで明らかになった課題や変化に対応し、復興計画の作成を支援する。また、住民懇談会などを通じて地域コミュニティの維持や再生の支援を、NPO団体等と連携し、仮設住宅を中心とした生活環境改善に取り組む。また、地震、津波で被害を受けた貴重な文化財等の保存作業や方策を自治体の学芸員などと連携し取り組む。

 産業復興は、放射能汚染に対する除染状況に応じた復興支援を適時適所において関係機関と協力し総合的に実施する。特に第1次産業においては、土壌分析、成分分析に基づく汚染状況の把握とそれを前提とした復興計画策定に関して各自治体と連携しながら短期・中長期対策を協同で実施する。

 Ⅲ【環境復元・エネルギー開発支援に関する取組

主として放射線に対する対策と環境と共生する街づくりを支援するもので、放射線に対する支援は、風評等に負けない産品等の流通を図るため、自治体及び関係団体等から要望がある土壌、農作物、加工製品等試料の放射線測定に関し、関係団体と協力し、測定や相談を実施する。また、今後の放射線量シミュレーションの実施などにより、土壌汚染の実態等の分析、放射性物質の動態計測を実施する。更には、日本原子力研究開発機構等と協力し、放射線量低下に向けた有効な除去方法の実証実験を行い、具体的な低減方策等を検討し、自治体や関係団体に適切な指導や助言を行う。

環境と共生する街づくりに活用するため、災害の実態を克明に記録し、整理する。そこから得られた事実を踏まえて、将来における様々な災害からの被害を最小限に抑えるためのハザードマップや防災計画、減災対策を検討し、その結果を関係機関に提案する。加えて、新たな街づくりのエネルギー対策として、再生可能エネルギー等を地域の特性を考慮しつつ、関連企業等と連携しながら支援を行う。

 

 

事業支援期間 平成23年度~平成27年度(5年間)

 

文部科学省、関連ホームページ http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/chiikifukkou/1313624.htm